内定辞退にどう対応するか?(1)
本日は「内定辞退にどう対応するか(1)」についてです。
5月も半ば、2019年新卒採用がいよいよ大詰めを迎える時期です。既に内定(内々定)を出している企業も多いことと思います。
この時期企業が頭を抱えるのは内定辞退。昨年2018年新卒採用で内定者の3割以上から辞退があったと回答した企業は調査対象企業の50%を超えるというデータがありますが(「マイナビ」さんのデータより)、売り手市場の状況が続く中で、今年も昨年並みから、それ以上の内定辞退率があるものと考えられます。
私も事業会社の人事担当者として、またマネージャーとして新卒採用に携わりましたが、内定辞退に心が折れそうになったことが何度かあります。特に「この学生さんは大丈夫、必ず来てくれる!」と思っていた学生さんから内定辞退の連絡を受けた時は、なんともやるせない気持ちになったものです。。(文書では表現できません。。)
ということで「内定辞退にどう対応するか」とのテーマで記載したいと思いますが、今日は「内定辞退を可能な限り防ぐ方法」について、また次回のBLOGで「内定辞退が出た場合の対応方法」について取り上げたいと思います。なお、企業規模やブランド力の違いで、具体的なアクションは異なってくると考えますが、基本の考え方は同じと認識しています。
◎内定辞退を可能な限り防ぐ方法
内定辞退を防ぐためには、選考の段階から手を打っておく必要があります。そして、多分に人間関係的な要素も含みますので、近道はないことだけは最初に申し上げておきたいと思います。しかし、選考段階から意識して取り組むことで、必ず成果が出る方法はあります。
結論から言えば、その方法とは、「個々の候補者との信頼関係を築き、それぞれがどのような条件・因子で会社を決定するのかを把握しておく」ことです。そして、内定を出す直前または直後に、「その候補者の会社選択条件・因子に訴える説明を行う」(1対1で)のです。もっとシンプルに言えば「まず候補者の内面をきちんと理解する」ということになります。当たり前と思われる方も多いのではと思いますが、果たしてきちんと実行できているかが問題です。
そしてこの対応は、採用に人数をかけることのできる企業であれば、面接官はもちろんではありますが、特に、面接控え室などで、「採用担当者」にやってもらうのが良いと考えます。よって採用担当者には、コミュニケーション力、洞察力、獲得力のある社員を充てることをお勧めします。(採用担当者への教育も必要となります)また、採用担当者には面接結果の調整会議にも参加してもらい、その意見を踏まえて面接の結果を出したり、次に向けたアクションを計画すると良いでしょう。一人の採用担当者が1次面接から最終面接まで、特定の候補者に一貫して対応することで、候補者との信頼関係を深めるとともに、候補者が会社を選ぶ条件・因子を把握することが望ましいと考えます。
また採用に人数をかけることができない企業であれば、その役割は面接官が担うことになりますが、その場合、採用候補者とは、可能な限り1対1の面接を行い、面接時間も少々長めにするなどして、しっかりと話をして関係を築き、その候補者の会社選択条件・因子を把握し、的を得た説明を加えることが重要と考えます。いくら美味しいからと言って、うどんが食べたい候補者に、そばを出しても効果は得られません。
なお、個人が会社を選ぶ条件・因子は大凡以下の7つ程度になると考えられますので、面接官や採用担当者は、採用候補者にとってどの条件・因子の優先順位が高いのか?といった点にアンテナを立てて面接や面談、また雑談をすると良いと考えます。
(1)事業内容:会社の事業そのものや、就きたい職種に就けるか
(2)ビジョン:会社のビジョンや将来の方向性、成長性
(3)メンバー:社長の魅力、社員の雰囲気
(4)成 長:入社後どのような成長ができるか、目標となる先輩の存在
(5)社会貢献:CSR、会社の事業がどう社会の役に立ってるか
(6)待 遇:給料、福利厚生、会社のブランド
(7)地 域 性:地元志向等
本日は「内定辞退にどう対応するか?(1)」として「内定辞退を可能な限り防ぐ方法」についてでした。次回は「内定辞退が出た場合の対応方法」を取り上げます。
2018年5月15日
シナジー&エフェクト
人事・人材開発事業担当代表