新しいアイデアが生まれ易い職場の条件とは?

本日は「新しいアイデアが生まれ易い職場の条件」について考えてみたいと思います。「新しいアイデアが生まれ易い」とは、ほぼそのまま当社のミッションにも含まれる「シナジーを生み出し易い」に読み替えることができ、いくつかの条件が考えられますが、特に重要と考えられる以下の3点に絞って挙げさせていただきます。

1)ものが言い易く、(一見)おかしなことを言っても「尊重」され、批判されない
2)既出のアイデアが最上ではなく、更に良いアイデアがあるかもしれないという「探究心」をメンバーが持っている
3)良いアイデアを「実践・実現」している

 

それぞれについて今少し掘り下げてみたいと思います。

1)ものが言い易く、(一見)おかしなことを言っても「尊重」され、批判されない
そもそも「ものが言い易く」なければ新しいアイデアが出て来るはずがありません。ではどういう状況が「ものが言い易い」状況なのでしょうか?それはまず「メンバーに話をちゃんと聞いてもらえる」状況と言えます。つまり「ものが言い易い」職場を醸成したいのであれば、メンバーが「傾聴」のスキルを身につける必要があります。傾聴のスキルは、組織のリーダーやマネージャーだけが身に付けるものでなく、メンバー全員が身に付ける必須スキルと言えるでしょう。

そして、新しいアイデアとは新しいが故に最初はそもそも「おかしなもの」であり「異質なもの」であることから、「おかしな意見、異質な意見を尊重し、批判しない」が備えるべきルールとなります。また、同じ考えの人ばかりが集まっていたら真に新しいアイデアは生まれません。あなたの考えが私の考えとは異なるから、そこに新しいアイデアが生まれるのであり、違いやギャップは新しいアイデアの源泉であり、ビジネスの種であると考えることが重要です。

私が目の当たりにした事例として、某企業の責任者が、次年度の計画を検討する会議中、部下の発言を遮った上に、その部下が勇気を振り絞って発言していた新しいアイデアを、席上で木っ端微塵にしてしまった事例があります。当然その後、その部下はもちろん、それ以外のメンバーからも積極的な発言がなくなってしまったことは言うまでもありません。その責任者は、かねがね部下から新しいアイデアが出て来ないことを嘆いていましたが、その理由はその責任者自身の言動にあったのです。そのような事例は皆さんの周辺にも往々にしてあるのではないでしょうか?

しかしながら、部下の発言が、まどろっこしく、論旨もクリアでない場合などは、指導しなければと思われる責任者の方もいらっしゃると思います。しかしながら、そうした指導は「連絡会」のような場面では有効な場合があると考えますが、新しいアイデアについて話し合うブレーンストーミングのような場ではやはりNGと言わざるを得ません。責任者の方は場面や状況に応じて対応を変化させる必要があります。

 

2)既出のアイデアが最上ではなく、更に良いアイデアがあるかもしれないという「探究心」をメンバーが持っている
新しいアイデアを生むためには「探究心」が不可欠です。もっと良いアイデアはないか? Aさんのアイデアと、Bさんのアイデア、この2つの異なるアイデアから、2つのアイデアを超える第三のアイデアを生むことはできないだろうか? そうしたあくなき探究心が真に新しいアイデアを生むことに繋がります。

ではどうしたらそうした「探究心」を備えることができるのでしょうか? 正しい答えがある訳ではありませんが、私はそのテーマに取り組む「主体性」が探究心のあり方に大きく影響を与えると考えています。自分事(ごと)として考える時、そこには自ずと好奇心、向上心、責任感、ねばり強さといったものが生まれ、それが探究心に繋がっていくと考えられます。そうなると、新しいアイデアについて話し合うメンバーには、最終の実践・実現の段階で何らかの役割や責任がアサインされることがより適切と考えます。

 

3)良いアイデアを『実践・実現』している
いくらメンバーが頑張ってアイデアを出し、議論して何らかの結論を得ても、結局それらが何も実践・実現されないのであれば、「なーんだ、無駄な努力だった。。」となってしまいます。もちろん全てが実践・実現されるものではありませんが、出された新しいアイデアのいくつかでも実践・実現させていくことが、次の新しいアイデアを生むことに繋がります。もしアイデアがそのまま実施・実現されなかったとしても、その要素の一部が何らかに活用されたりポジティブな影響を与えたのであれば、そのことをメンバーとシェアすることも重要です。

 

本日は「新しいアイデアが生まれ易い職場の条件」について述べました。皆様の職場の状況はいかがでしょうか? 新しいアイデアだ!革新だ!!イノベーションだ!!!とのスローガンが掲げられていても、言いたいことが言い難い風土であればその実現は難しく、そのような場合は根気強く風土改革に取り組む必要があると言えるでしょう。

 

2018年3月7日
シナジー&エフェクト
人事・人材開発事業担当代表

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