パワハラ対策は万全でしょうか?

あっと言う間に12月末、本日はメリークリスマス!ですね。 今週で仕事納めという方も多いのではないでしょうか。

今年の総括、来年の目標については別途触れるとして、本日は「パワーハラスメント(パワハラ)」についてです。(以前のブログ「セクハラ対策は万全でしょうか?」で後日パワハラについて触れるとしていました)

先日(2018年11月)、厚生労働省がパワーハラスメントの対応を企業に義務付けし、法制化する方針を固めたとのニュースが報じられました。このニュースを聞いて、「あれっ?パワハラに関する法律はなかったのか?」と思われた方も少なからずいらっしゃったのではないかと思いますが、その通り、現時点でパワハラに関する法律はありません。これは、パワハラ判定の最も重要な目線となる、「(パワハラの疑いのある行為が)業務の適正な範囲かどうか?」について、業種、会社、働く環境や状況によって判断が異なってくることが考えられ、法律で一律にその判定基準を定め難いということが理由に挙げられます。

踏まえて、厚生労働省は、今回の法整備の内容を、労働安全衛生法などの改正、具体的には、相談窓口の設置や社内研修・調査体制の整備など企業側にパワハラを防止する措置を義務付け、違反があった場合の行政指導の規定も盛り込み、悪質な企業に対しては企業名を公表することも検討するとしています。また、指針の中で何がパワハラに当たるかを例示するほか、対応が難しい中小企業への支援策や経過措置も用意するとしています。

ちなみに「セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)」については、「男女雇用機会均等法」の中で、「事業主の雇用管理上の措置」として、事業主に対して、その防止や発生後の適切な対応が義務付けられています。

1.パワハラの定義

では、パワハラとはそもそもどういうことを言うのでしょうか?
厚生労働省が2012年に作成した「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」には、以下の通りの定義が示されており、併せて、パワハラの型として以下の6つの類型が示されています。なお、「パワーハラスメント」というワードは日本発祥の言い方です。
 
◎パワハラの定義
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・肉体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為をいう。

とされています。ここで注目すべきは「人間関係などの優位性」「業務の適正な範囲」です。

まず「人間関係の優位性」については、パワハラは職場において必ずしも上司から部下へだけに行われるものでなく、部下から上司へ、また同僚同士間でも行われる可能性があることを示しています。また性別も関係ありません。

次に「業務の適正な範囲」については、「労働者が業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合があっても、これらが『業務上の適正な範囲』で行われている場合にはパワハラに当たらない」との見解が示されており、これはパワハラがセクハラとは異なり、その成立が「受け手の感じ方」にはよらないことを示しています。(セクハラにおいても「受け手にとってのセクハラ」に合理性・妥当性が無ければ”正式なセクハラ”とは認められませんが)つまり、「受け手がパワハラだと思ったらパワハラ」との考え方は誤りとなります。この点誤解されている方を散見しますので注意が必要です。考えてみれば「受け手がパワハラだと思ったらパワハラ」がまかり通ってしまいますと、職場での指導は非常にし難いことになってしまいます。(パワハラに取られない指導の仕方が重要とはなりますが)

◎パワハラの6類型
(1)暴行・傷害(身体的な攻撃)
(2)脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
(3)隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
(4)業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
(5)業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過少な要求)
(6)私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

仮に貴社において、従業員からパワハラの訴えがあった場合、まず経営者や人事責任者は、正確な実態の把握に努め、把握された行為者の言動が「業務の適正な範囲」であったのかを厳正に判断する必要があるのです。

2.パワハラの予防・解決に向けた取組み

2016年に厚生労働省が実施した「職場のハラスメント実態調査」の結果では、「過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがある従業員の割合」は実に32.5%に登っています。この結果には、パワハラの定義を正しく理解していない場合の回答も含まれていると考えられますが、しかしながら、相当多数の従業員がパワハラを受けたと感じていることは間違いありません。同時に、同調査の結果から、「パワーハラスメントの予防・解決に向けた取り組み」を行っている企業の割合は平均で50%程度に留まっているとの実態も明らかになりました。これは非常に危機的な状況にあることを示していると考えます。

では、パワハラの予防・解決に向けた取組みとして、企業は何に取り組めば良いのでしょうか?
厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ報告」には以下のような内容が示されています。

◎予防するために
(1)トップのメッセージ
(2)ルールを決める
(3)実態を把握する
(4)教育する
(5)周知する
◎解決するために
(1)相談や解決の場を設置する
(2)再発を防止する

私からのご提案としては、何よりもまず教育です。パワハラとは何か? パワハラを社内でどう判断するのか? そしてその予防方法について、管理職はもちろんのこと、従業員全員が正しく理解することが、何よりも大きな予防となります。また「アンガー(怒り)・マネジメント」を学び、実践することも有効と考えられます。更に根本的には、従業員の人間力を高める活動が必要になると考えます。

シナジー&エフェクトでは、「ハラスメント研修」として、職場で発生するハラスメントであるセクハラ、パワハラ、マタハラ(マタニティ・ハラスメント)の予防を主な目的とした研修カリキュラムを準備しております。またその他の予防や解決のための取組み、体制構築のためのコンサルティングも行いますので、まだ対策できてない場合は是非ご相談ください。

本日は以上です。

201812月25日
シナジー&エフェクト代表 笹谷

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