「前提」を踏まえた人事制度等の検証をしてみませんか?
年初めの節目であり、まだ日常の竜巻に巻き込まれていないこの時期、2018年の人事や人材開発関連の目標を設定するに当たって、「前提」を踏まえて、現在の貴社の人事制度や仕組みの検証を行ってみてはいかがでしょうか?
「前提」とは、例えば「世界人口は右肩上がりで増加していく」といったような「現状与えられている条件を考慮すると、当面変化することがないと考えられる情勢、状況、トレンド」のことと言えます。物事の大きな流れを掴むには「前提」を抽出すると捉え易くなると考えます。
私は以下の5点を、人事・人材開発領域で特に影響の大きい「前提」として挙げたいと思います。
1)日本において今後数十年の間で少子高齢化が更に加速し、労働人口が減少する。
2)経済のグローバル化がアジアを中心に更に発展し、アジアとアフリカを中心に世界人口は飛躍的に増加する。
3)AI(人口知能)が更に進化し、近い将来人間がやっている多くの仕事がAIに取って代わられる。
4)ネットワーク技術の発展により、SNSなどを利用して個人が従来の企業と同等レベルの情報発信ができるようになる。
5)明文化できる知識の多くをインターネットを介して無料または非常に安価で入手できるようになる。
既に皆さんが認識されている「当たり前」の内容かと思います。しかしながら、皆様の会社や皆様ご自身について、現時点でこれらの「前提」に対する準備や対応はできていますでしょうか? 公的な制度や仕組みも含めてですが、まだまだ十分準備や対応ができているとは言い難い状況にあるのではないでしょうか。
「人材不足への対応(人材確保が難しい、超売り手市場)」「多様な働き方」「働き方改革」「ワーク・ライフ・バランス」「正社員至上主義の是正」「同一労働同一賃金」「ダイバーシティ&インクルージョン」「介護支援」「副業・兼業」「キャリアの複線化」「健康経営」「人件費の高騰と抑制」「人材開発の強化」「フリーランス人材との協業」「オープンで透明性が高い人事諸制度の運用」等(テーマの大きさバラバラですが)、近年注目されている人事・人材開発関連のトピックや取組みが前述の「前提」に基づいていることが理解できると思いますし、翻って、これらの「前提」に反する、逆流するような制度、施策、仕組みやその運用の類は、川を逆流するが如くであり、基本的には発展しないということがあると思います。もちろんこのことは人事・人材開発領域に留まる話ではなく、他の領域やビジネスモデル全体にも言えることです。
また、「当社は国内のお客様だけなので、グローバルは関係ありません。」と仰る経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、既にグローバル化した経済の中にあって、製品価格や人への報酬等は、直接的また間接的にグローバルな競争に晒されており、国内のみの事業であっても全く関係ないとは言えません。
つまり、皆様の会社の制度、施策、仕組み、とその運用についても、こうした現在の「前提」を考慮して再構築していく必要があるということであり、もしまだそうした観点での取組みに着手できていないのであれば、まずは既存の制度や仕組みが「前提」に合致しているかの検証を行ってみることをお勧めします。そしてその際、外部コンサルタントのアドバイスが必要とのことでしたら、是非一度シナジー&エフェクトにご相談ください。
最後に蛇足ながら、日本の人口は今後どうなるのか?
丁度私を含めた団塊ジュニア世代が65歳前後となる約20年後の2040年の予測を見てみますと(アイキャッチ画像参照*)、総人口で約1億1,090万人、人口の約3人に1人が65歳以上となることが予測されています。今から20年前は1998年(本日1997年生まれの方々の成人式でしたが)。20年後は本当に近い未来ですので、諸々の準備は今すぐ始める必要があると考えます。 *「国立社会保障・人口問題研究所」様作成の図を引用
2018年1月8日
シナジー&エフェクト
人事・人材開発・組織開発事業担当代表